なぞかけで内定もらった話(後編)
〜前編のあらすじ〜
エントリーシートに、「特技:なぞかけ」と書いて就職活動をしていた私。
某おもちゃメーカーT社のグループ面接で、それまで「学研の科学」の話をしていた流れから、面接官から突然の質問を投げかけられる。
面接官「特技に謎掛けとあるけど…いまここで出来たりするの?『学研の科学』で、何かできる?」
変化球な質問にうろたえる私。
そのとき、氏田に電流走るっ・・・!
いや、耳はある・・・!
それより・・・
私(これは・・・進研ゼミでやったところだ!)
そうなのです。
面接会場の待合室で、周りの就活生が志望動機のアピールや自己PRの練習をしている中、僕は面接官に振られそうななぞかけのお題のシミュレーションをしていました。
—前編より
このお題は、面接前にしていたシミュレーションを活かす絶好のトスだったのです。
深呼吸をしたあと、私はこう答えました。
「学研の科学」とかけまして、
「御社のおもちゃで遊ぶ女の子」と解きます。
その心は、どちらもリカが大好きになるでしょう。
面接官「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」
私「どうかしましたか?」
面接官「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
私「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと整っただけですから^^」
面接官「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(内定通知書を漏らす)」
・・・とはなりませんでした。
以下、現実。
面接官「ホォ〜」
あれ、おかしいな。
即興のお題に対して、会社の商品を絡めた、この上ない回答。
もっと驚いてくれもいいんだけどなあ。
ちゃんと伝わっていないのかなあ。
と思い、慌てて補足する私。
私「リカちゃん人形は御社の看板商品ですからね。」
面接官「ホォ〜」
私「理科とリカで、ええ。」
面接官「ホォ〜」
暖簾に腕押し、糠に釘。
これほど「ホォ〜」を繰り返したのは、歴史上この面接官か北島三郎くらいでしょう。
焦る私。
もしかしたら「リカ」と呼び捨てにしたのがまずかったのかなあ。
リカちゃん人形といえば、この会社の看板中の看板商品。
T社の社員さんにとっては、自分の娘のようなものです。
文字通り「箱」入りの娘。
変な男が寄り付かないように、靴などの小物に苦い味をつけていることはあまりにも有名です。
それを、今日始めて会ったどこの馬の骨ともわからない男に呼び捨てにされたらそりゃいい気分じゃないよなあ。
「リカとはクラブで知り合ったんすけど〜。マジフィーリングが合うんすよ〜。」
「マジバービーよりいい女っすよ。」
「ねぇ、お父さん、俺たちもうシルバニアファミリーっすね。」
そんなことを言われたら私でも怒るよなあ。手が出るよなあ。グーパンだよなあ。
むしろ「ホ〜ホォ〜」と、サブちゃんのようなコブシで受け流してくれた面接官はすごいなあ。
あぁ、もう黒ひげ危機一髪だ・・・。
そんなどうでもいい妄想をしているうちに、面接は終わりました。
その会社は2次面接で落ちました。
こんな感じで私の就職活動は、即興の言葉遊びゲームに汗をかきながら進んでいき、内定をもらったり、もらわなかったりしました。
なぞかけが合否に及ぼす影響は微々たるものだとは思いますが、際立った特徴のない私でも、少しは面接官に印象を残すことができたのではないかと思います。それ以上に、ストレスなく、就活を楽しむことができたのが良かったです。
これが、私の自己紹介を兼ねた就活のおはなしです。
気付いた方もいるかもしれませんが、今回、いまの就職先の話は書いていません。
なぜかというと、その一次面接でも即興なぞかけを披露したのですが、時間がかかりすぎて、「この面接が終わった後に発表します!」と後回しにした上に、そのなぞかけも分かりにくいという芳しくない結果だったので、詳しくはお話ししません。
それでも、「その度胸が面白かった」と次のステップに進めてくれた人事の方には感謝しています。
あ、最後に、エントリーシートに書いていたなぞかけの答えを。
「就活」とかけまして、「生まれたばかりの赤ちゃん」と解く。
その心は・・・?
ないていない(内定ない・泣いていない)と、不安になるでしょう。
不安になっている就活生のみなさんにとって、このブログが少しでも参考になればさいわいです。
次は、だれでも簡単になぞかけができるようになる方法を書きたいと思います。