ラーメンとアイコン

ラーメンに乗ってる味玉のこと、メンズエッグって呼んでる。

「 #あたりまえポエム 」が本になるまでの裏話とかぜんぶ

美しい思い出は、とてもきれいだ。

そんな書き出しから始まる本『あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ』412日に発売となりました。ひとことで言うと、あたりまえのことを、ポエムのように綴った作品です。

あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ

あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ

 

いままでに自分がTwitterに投稿したものに書き下ろしを多数追加し、全編を通して恋愛小説のように楽しめるよう再構成しました。

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出版を記念して、『進撃の巨人』エレン役でもおなじみ大人気声優・梶裕貴さんに朗読してもらったスペシャルムービーも公開。


あたりまえポエム スペシャル朗読ムービー(CV:梶裕貴)

 

それと、明日の日曜日19:00~下北沢の本屋B&Bで、出版記念イベントもやります。ぜひ来てください!

お申込みはこちらから。

bookandbeer.com

 

ぜひたくさんの方々に読んでほしいので、ここでは「#あたりまえポエム」という企画が生まれるまで、そしてそれが書籍になるまでの話を書いていきたいと思います。

作品の裏話や自分語りはダサいという声も聴こえてきそうですが、少しでも多くの方に知ってほしいという気持ちが強く、なりふり構っていられないので、ブログという形で公開しました。(でも、すぐに消すかもしれません)

そんなの興味ないよという方は、ネコの動画をお楽しみ下さい。これは3年前につくったネコを無限に見ていられるWebサイト「Evercat」です。

gigazine.net

 

Twitter年間だった2016年

さて、「#あたりまえポエム」が生まれる経緯についてお話しするには、時を1年前まで遡ることになります。

 これは、2016年の1月に立てた目標です。大好きなバンドShiggy Jr.ボーカルの池田さんが「願い事ノート」というのをつくっているの聞いて、自分もやってみたのですが、書いたことすら忘れていました。

そうそう。1年前、僕はTwitterのフォロワーを1万人にしたかったんです。その理由は主に2つ。

  • 広告などを企画するプランナーをしていたが、クライアントに「これバズりますよ!」と言っても自分のフォロワーが少ないと説得力がないと思ったから。
  • 長期的なサービスなどを担当するようになったため、世の中に発表できる仕事の数が少なくなるという危機感があったから。

当時のフォロワーは3000人くらい。実際のところフォロワー数なんてどうでもいい話ですが、振り返ると結果的に出版や色々な仕事につながったので、がんばってみてよかったです。

 

最初はこれを本にしたかった「#世界を変えない名言集」 

フォロワーを増やすにはどうすればいいのでしょうか。全くわからなかったので、みんなに聞いてみました。

 そこで、「過去のツイートに、イラストをつけて投稿してみてはどうか?」というアイデアをいただいたので、TwitterInstagramでやってみることにしました。

https://www.instagram.com/p/BCG-d9uCddt/

コーヒーの忠告#世界を変えない名言集 #氏田絵本

 

www.instagram.com

この#世界を変えない名言集」というタイトルは、僕の元同僚であり、師匠でありライバルのコピーライター長谷川哲士さんに考えてもらいました。彼は100回に1回くらい良いことを言うのですが、これはその1回ですね。ありがとうございます。

note.mu

このイラストの連載はとても反響が良く、Twitterでみんなに見てもらうためには画像が大事だということに気づきます。特に、お友達の漫画家・山科ティナさん吉本ユータヌキさんRTしてくれた時は、一気にフォロワーが増えました。ありがとうございました。「イラスト系のツイートをイラスト系の人がRTしてくれるとフォロワーが増える」今日はこれだけ覚えて帰ってください。

ちなみに、山科ティナさんも最近漫画を出版されています。どれも、読みながら赤面してしまいそうな胸キュンストーリーです。僕は、花金を抜け出す話と、最後の予備校の先生の話が好きでした。

#140字のロマンス (フィールコミックス)

#140字のロマンス (フィールコミックス)

 

 「#世界を変えない名言集」連載は、一年続けて日めくりカレンダーや本にしたかったのですが、50日くらいでやめてしまいました。 

 

ロック画面芸で1万人達成

その他にも、2016年は思いついたことをいろいろ試しました。

など…

 その中でも反響が大きかったのが、「ロック画面芸」でした。スマホのロック画面を通知が届いているかのような壁紙にすることで、フィクションの世界に浸れるというものです。最初につくったのが、これ。 

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これがウケたので、調子に乗って、他にも4つくらいつくりました。 

grapee.jp

nlab.itmedia.co.jp

そんな地道な作業を繰り返し、9月くらいにフォロワーがやっと1万人を超えました。(その一方で、同じくらいのフォロワーだったわかるさんは10万を軽く超えていきました。わかるさんの本もとっても面白いのでオススメです。)

今日は早めに帰りたい

今日は早めに帰りたい

 

余談で、引き寄せの法則みたいな怪しい話になりますが、ちょうどフォロワーが1万人を超えたあたりで、いくつかいいことがありました。まずは、尊敬する同世代クリエイターの栗林さんと一緒に仕事ができたこと。栗林さんについてはこちらの記事をご覧ください。

hrnabi.com

そして、ずっと夢だったラジオ出演を果たせたこと。(これも1月に書いたToDoリストに書いていた。しかも放送作家高須光聖さんの番組に!)

 あと、1万人超えてからは、ほんの少しだけですがたくさんRTされるもののつくりかたが分かってきました。

twinavi.jp

kai-you.net

nlab.itmedia.co.jp

このお年玉袋はいままででいちばんRTされたツイートです。従兄弟たちには、お金がなくても工夫して乗り越えることの大切さを受け取ってもらえればと思います。

 

ハッシュタグ芸と「あたりまえ新書」の失敗

職業柄もあり「ネット上でもっと大きな流行をつくりたい!」と思い、10月くらいから「ハッシュタグ」をつくって、いろんな人が参加することで盛り上がっていくようなムーブメントをつくることに挑戦し始めました。

grapee.jp

#あたりまえポエム」の前身、#あたりまえ新書」もそのうちのひとつです。あたりまえのことを新書のタイトルっぽく表現したものです。

ただ、この「#あたりまえ新書」においては、大きな失敗がありました。こちらの記事をご覧ください。

youpouch.com

 ひとつのTwitterでの流行として紹介されているのですが、僕の名前や作品は掲載されていません。誰もがつくれるものは、広がりやすいぶん、「誰がつくったか」は意識されなくなってしまう。そんなことに気付いたここでの経験が、あたりまえポエム書籍化に生きてくるのでした。

 余談になりますが、この「あたりまえ新書」は現在商品化に向けて鋭意制作中です。お楽しみに!

 

あたりまえポエムの誕生 

そんな試行錯誤と紆余曲折を経て、「#あたりまえポエム」を思いついたのが2016年の11月。ある日、Twitterでポエムが賛否両論で話題になっていました。賛否両論のうち、否定的な意見で「中身がない」というものがありました。

言葉は人によって捉え方によっていろいろな捉え方ができますし、たとえ中身がなくても耳あたりの良い言葉はたくさんあります。そこで、本当の意味で「中身がない」ポエムをつくったら面白いんじゃないか?という些細な思いつきで、こんな投稿をしたのでした。

このツイートは、すぐに数千RTを超えました。ここで「#あたりまえ新書」の二の舞を演じることにならないように、今度はしっかり対策をしました。 

  • 同じタグで連投する
  • Instagramにも同時に投稿する
  • LINEブログにまとめる
  • ブログに「書籍化を目指しています。」と書く

lineblog.me

ハッシュタグには、GLAYのTERUさんなどの有名人や、さまざまな企業の方々が参加をしてくれました。

withnews.jp

 

あたりまえポエムは、「ぱくたそ」というフリー素材サイトで写真を探し、「Phonto」というアプリで文字を乗せています。 写真は、写真家・カズキヒロさんがつくっているフォトモンタージュと呼ばれる作品です。

カズキさんによると、写真にはメッセージを込めていないそうで、同じくメッセージ性を持たない「あたりまえポエム」との相性は抜群なのです。今回の書籍では、「ぱくたそ」にはない新作もお楽しみいただけます!カズキさんについては、ぜひ朽木さんの記事をご覧ください。(栗林さんの記事も、朽木さんの記事ですね!)

www.pakutaso.com 

書籍化大作戦、そしてGoogleスプレッドシートの原稿

書籍化の話は、意外に早く進みました。栗林さんが講談社の編集者・矢島さんを紹介してくれたのです。矢島さんも「#あたりまえポエム」のことを知っていてくれたそうで、すぐに書籍化へ向けて打ち合わせをすることができました。

  • Twitterでみんなから募集する?
  • Twitterにアップされているものに許可をもらう?
  • 有名人につくってもらう?
  • 漫画にする? 

いろいろな案が出ましたが、最終的に矢島さんに提案してもらった「全て著者オリジナルで、一編の小説としても読めるようにする」というものになりました。企画自体が「ネタ」なので、中身は至極真面目につくった方が面白いし、本にする意味もあると思ったからです。

全部で約90ページ分、1ページにつきひとつ「あたりまえポエム」が入るように、あたりまえのフレーズを考えてはストーリーになるように再構成する……という作業を繰り返しました。原稿はふだんの仕事で使い慣れているGoogleスプレッドシートでつくりました。構成や進捗が視覚的にわかり、文字数も簡単にカウントできるので、非常に便利でした。

 

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一通り原稿が完成したら、keynoteのファイルにして、細かな校正をしていきます。表記ゆれや語尾の言い回しを直したり、よく考えたらあたりまえじゃないフレーズや頻出ワードを修正したり、時系列のおかしい部分を再考したり……中身のないストーリーとはいえ、細部にこだわって仕上げていきました。

 

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あとがきだけでも読んでほしい

そんなこんなで、本が完成したわけですが、この物語には特に何のメッセージ性もありません。あたりまえポエムなので、当然です。僕は共感を呼ぶようなものをつくることが苦手で、人生や恋愛について語ることもできません。興味のあることは、言葉遊びだったり、仕組みだったり。それだけです。

ただひとつ、偉そうなことを言うようですが、この本を通して唯一伝えたいことがあるとすれば、それは全て「あとがき」に書きました

いや、そこまで大層なことは書いていないのですが、「あとがきが良かった」と言ってくださる方がいたので、書いてよかったと思っています。

  

そんなあとがきが読める本が、こちらです。(電子書籍もあるよ)

 

あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ

あたりまえポエム 君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ

 

  

サインの練習をしたので、明日下北沢に来てください🙏

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明日416日(日)19時から、下北沢B&Bで、この本の発売イベントを行います。 ゲストは、先ほど紹介したコピーライターの長谷川哲士さんと、芸人のみさわ大福さん

大福さんは、ゴッドタンのマジ歌選手権などにも出たことのある、歌ネタの得意な芸人さんです。


大福 「君という星」


大福 コント「入学試験」(2011.9.25開催「つぶぞろい2」より)

上の動画を視ていただくとわかると思うのですが、「ふつうのことを面白くする」みたいな発想のネタをやられているので、今回のイベントでもそんな話ができればと思います。制作秘話みたいなものはここに書いたとおりなので、イベントではもっと深い話や、即興ライブ、質問コーナーみたいなのを充実させたいです

あ、サイン会もあります。一昨日、がんばって自分のサインを考えて練習をしたので、来場者が0人とかだと泣いてしまうかもしれません。

 

…ということで、みなさんのご来場をお待ちしております!!

 

↓こちらからお申込みください!

bookandbeer.com

 

さいごに

講談社のみなさん、書籍の制作メンバー、書籍化にあたり相談に乗っていただいたみなさん、いつもTwitterとかで見てくれているみなさん、この度はありがとうございました。

私は普段は面白法人カヤックという会社でプランナーとして働いています。こんな採用企画とかもやっているので、興味のある方は応募してみてください。ぜひ一緒に働きましょう~! 取材のご依頼やお仕事のご相談もお待ちしております!

egosearch.kayac.com

 

それでは、次回作にご期待ください! 

 

 

最近オススメの漫画です。

左ききのエレン(1): 横浜のバスキア

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